ぱっちょのブログ

感じたことを感じたままに書き残すためにブログを書くことにしました。感情のアウトプット、大事。

20231031【火葬】

 

 

いよいよ火葬の日。

 

逃げたい気持ちもあったけど

夫も私もできるだけ明るくいた。

カラ元気だった。

 

 

喪服を着るのは

なんとも言えない気持ちになった。

 

あと少しで出発というタイミングで

夫がバタバタと何かを探していた。

 

「黒のベルトがない…」

うちの夫はそういうところがある。

前日に準備とか、早めに準備とか苦手。

私は朝心に余裕がないのが苦手なので

今回も重い腰をあげて前日に準備していた。

 

結局探しても茶色しか見当たらず。

いつもなら文句のひとつくらい言ってしまうが

夫の心情を考えると言えなかった。

いっぱいいっぱいなんだろうなと思ったから。

 

時間がやばかったので

「もう茶色で行くしかないね。それで、息子にダメな大人の例として"こんな大人になるなよ"って、身をもって伝えよう」なんて話してた。

 

タクシーを呼んで待ってる間

ふと夫を見ると、静かに泣いていた。

「お母さんはしっかりしてるねぇ。お父さんはだめだねぇ」と。

普段からあんまり感情を表に出す人ではないけど、今は特に、心の中はグルグルぐちゃぐちゃしてるんだろうなぁ…

 

 

結局待ち合わせ時間ギリギリに着いた。

火葬は私ら夫婦だけで静かに…と思っていたけど

お互いの母も来てくれることになった。

 

4人揃って、待ってる間

夫の母の「大丈夫?」の一言で夫が泣いた。

子どもみたいに泣いてた。

それ見て私と私の母も泣いた。

夫の母は夫に「あんたが泣いてどうすんの!しっかりしなさい」と言ってたけど、私は少し安心した。私に気を遣わず、ちゃんと泣けた。母がいたから夫も少し気が緩んで、緊張が溶けたんだろうなぁ。

 

 

しばらくして火葬場へ。

隣は高齢の方と思われる大人の棺。

並ぶとより目立つ、小さな棺。切なくなった。

息子の顔は、病院で対面したときより悲しそうな顔に見えた。

病院で葬儀屋と話した時には名前が決まってなかったから、苗字と「男児」とのみ書かれていた。遅くなっちゃったから、ごめんね…と、また謝った。

 

昨日書いた手紙を入れた。名前も由来も書いてある。遅くなっちゃったけど、ちゃんと伝わるよね、大丈夫。

夫の母がお花を、

私の母がお菓子を用意してくれた。

小さな棺がパンパンになった。

 

最後の、お別れ。

 

重たい扉が閉まり見送り

私たちは控え室へ。

支払いや手続きは夫が全部やってくれた。

骨壷に入れるため、名前も伝えた。

母たちにも「いい名前だね」と言ってもらえた。

 

 

30分後くらいだったかな、準備ができました、と。

さっき隣にいた人たちはまだ呼ばれる様子もない。また少し、切なくなった。

 

 

再び火葬場へ。

さっき「男児」となっていたところが、名前に変わってた。小さなことだけど、ありがたかった。

小さな息子がますます小さくなった姿。想像してたより何倍もきつかった。

 

私たちが掴んで骨壷に入れられるような骨は足の骨4本だけだった。

夫に似たしっかりとした足。4人来てることに合わせたかのような本数。

それだけでも泣けた。

1人1本ずつ骨壷に入れ、息子を夫が受け取った。

 

夫の母から「いっぱい泣いていいけど、ちゃんと笑ってないとこの子も悲しむよ。天使になって見守ってくれるから。きっとまた、次を連れてきてくれるよ」と言われてまた泣いた。

 

 

タクシーを呼んでもらった。

母たちが見送ってくれた。本当は私たちがお見送りしなきゃいけないところだけど母たちが「見送らせてよ」と。いつまでも、母は母なんだなと思った。

 

帰宅。

散らかった部屋。

怒られちゃうねって話した。

なんでかわからないけど、ハイテンションだった。そうしないと、やってられなかった。

 

気持ちが張ってるうちにお互い仕事関係の連絡をした。

ほぼ引き継ぐ間もなくこんなことになってしまったので申し訳なかったけど、上司には数ヶ月かけて教えていたし重要業務はマニュアルを一通り作っておいてよかった、と思った。

 

夫は一週間お休みを、私は産後休暇で8週間お休みになった。産後休暇ってなんやねんと思ってるけど、メンタル回復も含めると本当にありがたい制度。

 

一旦ひと段落して気が抜けたのか睡魔に襲われた。息子に「ちょっとお昼寝させてね」と言って少し寝た。

 

夕方、仕事を終えた母がうちに来た。

仕事も含め移動手段が基本自転車な母。

ささっと来れる距離じゃないのに来てくれた。

申し訳ない気持ちもあったけど、ありがたかった。

 

 

今は自分を責めることしかできないけど

たくさん泣いていつか前を向かなければ。

まずはしっかりゆっくり向き合いたい。

 

息子に恥じぬ大人にならなければ。